BRST!
真摯な声色でそう口にした彼は、一時の迷いも見せずに潔く顔を下げていて。
下の階からそんな昴くんを呆然と見上げている彼らの驚きは相当なものだということが見てとれた。
ワンテンポ遅れて事態を把握した私も彼に続き、バッと勢い良く頭を下げる。
『(……私が、)』
まだ弱いから。
だから結果的に、昴くんに敵対する族に拉致されてしまった。
挙句の果てこんなに大勢の人に迷惑を掛けてしまったりなんかして。
悔しさに拳が震える。
隣に居る昴くんがどんな表情で私を見ていたのかなど知る由もなく、ただ強く思うことは。
強く、なりたい。