BRST!
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『ちょっと稜聞いてよ!総のやつ本当むっかつくんだけどー!』
『ははは…。』
お互い想いは同じなのに、素直になれない二人にはケンカが絶えなくて。私は頻繁に彼らの間に挟まれていた。
『てか最近アイツつきあい悪くない?学校終わったらすぐ帰っちゃうしさぁ。』
ぷんぷん怒っているゆきは総が"聖龍"に入っていること知らない。私は彼に口止めされているから伝えることはできない。
できることなら彼女は暴走族とは関わらずに、平穏に生活して欲しいというのが総の願いだからだ。
『…ほんと、やんなっちゃう。』
『ゆき、』
総が"聖龍"に入って忙しくなってから、ゆきは寂しそうな表情を浮かべるようになった。
総の言い分もわかるけれど。もし私が昴くんから何にも教えてもらえなかったら、すごく悲しい気持ちになるんだろうなあと思っていた。