BRST!
「(…気のせいか?)」
最近、うちの下っ端が正体不明の連中から闇討ちに遭っている事件。いくら問い詰めても親玉の名前を吐こうとしねえ。
そのせいで気が立っているのかもしれねーな、と自己完結。…後に俺は、このときの判断を死ぬほど後悔することになる――。
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《ゆき side》
――PM3:50
「清水ー。」
「あ、先生。」
今日最後の授業を終え鞄を引っ掴み、足早に教室を出ようとしていたとき。担任の先生があたしを呼びとめた。
「悪いが、高山の家にプリント届けてやってくれないか?学校からの急ぎの手紙もあるんだよなあ。」
「えー…。」
そんなの、休んだ総が悪いんじゃん。てか学校休むんならメールのひとつくらいしろよ。むかつく。
「じゃあ頼んだからなー。」
「え、ちょっと先生!」
うわあ押しつけやがったあの教師!…仕方ないなあ。今までは稜がこの役目だったんだっけ。
「(…。)」
稜がいないと、なんかうまくいかないや。あたし達三人いつも一緒だったからさ。そういや稜が残していったあの言葉。
『ゆき、総と二人なんですからチャンスですよ!自分の気持ちに素直になってくださいね。』
…ごめん稜。あたし、すんごく意気地なしだ。総に気持ちを伝えられる日なんて、本当にくるのかな―…。