BRST!
「……昴くん、」
「?」
「メリークリスマス!」
そう言いつつ紙袋から勢いよくそれを取り出し、男らしい筋の通った首に巻きつける。
うん。似合うかも、なんて。
それは夜な夜な少しずつ、沢山の日数をまたいで作り上げただけに、愛着の募ったマフラー。
黒地のものに悪目立ちしないラインを加えたりして、私にしては試行錯誤の賜物だったりする。
だからと言って無理に時間を割いた訳でもなく、受験勉強の合間を縫っての製作時間は気分転換を果たしてくれていた。