BRST!
総のお母さんに担任から預かったプリント類を渡し、手を振って家路につく。ほんと、なんなんだ総のやつ。
心の中で総に対する悪態を吐きまくってるあたし。…だから周りが見えていなかったのかもしれないんだけど。
――ドスッ!
「カハッ…!」
真後ろから現れた男に拳を振り降ろされ、ばかなあたしは意識を手放してしまったんだ――。
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――――…
《総 side》
――PM5:20
「っ、」
「総どうした?」
幹部室。
ここの副総長で俺の悪友でもある和也に声をかけられる。今日は幹部での話し合いの為、珍しく学校を欠席した。
「…何か嫌な予感がする。」
「昨日お前が感じたっつー視線さ、俺は偶然には思えないんだよな。…本性見せるならそろそろかもしんねーぞ。」
「ああ。」
俺の自宅まで嗅ぎまわるとは。父さんは単身赴任だし、母さんはかなりのインドア派でめったに外出しない。…メールだけでもしてみるか。
そして母さんから秒速で届いた返信を確認すると、先程走った悪寒の正体を疑問に思いつつ、話し合いを再開した――。