BRST!



「そ、そんなこと言わないでくださいよ……別に可愛くないし、」

「いや?すっげー可愛いけど。」

「だっ、だから…!」




ニヤリと口端を引き上げている彼は確信犯に違いない。


あたふたと慌てる私を見ては切れ長の瞳を細めたりして。




「だーもう!離してくださいよ!ほら、もう六時になりますから…!」

「えー、もうちっと、」

「だーめ!」




尤《もっと》もらしい理由をつけて、するりと彼の手から抜け出した。


もうちょっと、なんて。


ほぼ確実に私の心臓が壊れてしまうだろうから、やめて欲しい。


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