BRST!
が。
――プルルルルル
いきなり鳴り響いた機械音に、部屋は静まり返る。
「あれ。私…ですね。」
「なんだ、ゆきじゃねーか。一時休戦にしとくから出ていいぞー。」
「はは、ありがとうございますー。」
むしろ中止にしてくれて構わないんですけど!貴方知らないかもしれないですけど、私は昴くんと一緒に寝ると緊張して安眠できないんですよ!
胸中彼に対する反抗心でいっぱいの私だったが、ゆきだと疑わない相手と通話を始めると共にそれは一変した。
"どうも稜さん。"
男性特有の低い声。総でもないし、総の親友の和也くんでもない。
「あなた誰ですか!ゆきは!?ゆきは無事!?」
"…女!?"
「質問に答えなさい!ゆきは無事なんですか!?」