BRST!
「………、」
どうして唯がそこから離れないのか、瞬時に理解した。
可愛らしいネコが描かれたそれは、猫好きの唯には堪らない一品なのだろう。
見た目から判断がつく程もふもふしたそれに身を包まれている唯は、男に言うのはあれだけど、うん。
「…かわい、」
そう胸中の思いを率直に口に出そうとした、そのとき。
「――稜!」
「わ、!」
何の前触れも無く肩に乗せられた手のひらに驚き、ビクリと両の肩を揺らす私。