BRST!


穢れてしまったら、総はなんて思うのかな。一緒にいる権利すら無くなる?あたしのことを拒絶する?


脳内を支配するのはマイナスなことばかり。ぐじぐじ悩んでる自分に心底嫌気がさす。あたしらしくもない。


「、」


…そうだよ。まだヤられてないだけマシじゃないか。不幸中の幸いってまさにこのことだ。


気を持ち直して辺りを見まわす。幸いこの部屋にはあたししか居ないらしい。


入口は正面にひとつ。家具のようなものは何ひとつ置いてない、狭くて殺風景な部屋だ。


なにかロープを切るものを探そうと腰を上げようとした、そのとき。


――ガチャ


「(…!)」


人相の悪い一人の男が、この部屋に入ってきた。一瞬目が合ったものの、思わず俯いてしまう。視界に入るのは縛られた自分の手足。


「へえ。結構な上玉じゃねえか。」


舐めまわすような視線。低く地を這うような声。奥底から湧き上がる嫌悪感に、あたしの身体はまた震えだす。

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