BRST!
「ま、俺らのほうが早く着いてたら総には失望してたなー。」
「…同感です。」
昴くんと言葉を交わしながら周囲に目を配る。ゆきを守りきれなかった馬鹿な男を探すためだ。
「昴くん、暴走しちゃ駄目ですよ。」
「わかってるよー。でもそうなったら稜が止めてくれるだろ?」
…そう言いながらお茶目な感じでウインクするのはやめてください!呆れながら彼の横顔を見つめていた、そのとき。
「あ、いた。」
昴くんの発したその声に前方へ向き直れば、鉄パイプやら金属バットやらを担ぐ数人の男に囲まれる幼馴染の姿が。
「…行きましょう、昴くん。」
「おー。稜、無理はすんなよ。」
「ふふ、わかってますよ。」
その会話を最後に、怒声や呻き声で溢れかえる場所へふたりで飛び込んだ。