BRST!
――だが、しかし。
そんな出口のない自問は、呆気なく終わりを迎えることとなる。
「ほんとに!?あの"聖龍"の総長さんと付き合ってるのぉ!?」
「う、ん。」
くるんと巻かれた髪を、揺らして笑みを零した里麻は。
「やっぱりねぇ!ゆきちゃんって、ただものじゃないと思ってたんだ!」
悪戯っぽい笑みをその唇に乗せたまま、今しがた私にしたみたいにゆきの背中をバアン!と叩いたのだ。
「(…あ、)」
その瞬間、気付く。
つい先程まで酷く居心地の悪そうに、緊張に顔を強張らせていたゆきの表情が穏やかなそれへと変わったことに。