BRST!
苦笑を零しつつそう言って、鞄の底に沈んでいた一枚の紙を取り出してみせた。
『結果、わかり次第連絡しますから。』
『俺はいいから、まず叔父さんと叔母さんに電話してやれなー。』
その言葉に返してしまった笑顔は、無意識に近いと思う。
そんな風に、彼の気配りの欠けない面も好きなところだったりする。
『はーい。』
昴くんの真似をして言葉を伸ばしたりなんてして、軽く手のひらを振った私は閉まったドアを前にして一息。
気を抜けば緩んでしまいそうになる頬を両手で引っ張ると、ずり落ちたマフラーが視界の端で揺れているのに気付く。
『…受かってると、いいなあ。』
冬の冷たい空気にうっすらと溶けていく、そんな独白。