BRST!
―――――…
そして受験した大学からの帰り道、ふらりふらりと歩みを進めていた私は。
平穏に過ごしていた時間のお陰で、殆ど頭の隅に押しやられていた彼らの存在を再度認めざるを得なくなったのだ。
あれから、地道に強くなろうと努力していたけれど。
実際にこうなると、予測していなかったことも拍車をかけて、心に余裕がなくなっていくのが自分でも分かる。
でも、……二度も同じ相手にやられてたまるか。
「この間のケリ、つけさせてもらいますよ。」
真直ぐと晒されている相手の瞳を睨みつけ、肩に掛けていたトートバッグを放り投げた私は構えの姿勢に移る。
その際、左耳に揺れる真新しいピアスの裏側に埋め込まれたボタンをカチッと押した。