BRST!
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「あ、稜~!待ってたんだよぉ!」
校門まで辿りついた私は、石像の近くで手を振る華奢な姿を認めた。
それが里麻だということに気付くと、思わず笑みを零しながら駆け足で近付いていく。
「うわあ、里麻ありがとうございます!寒いのに…!」
「いいえ~。だって折角の卒業だし、稜と一緒に行きたいもん。」
大きな瞳を此方に向けてそう言った里麻があまりに可愛らしくて、思わず両手を広げて抱きついてしまう。
「里麻あー!」
「ちょっ、稜、暑苦しい!」
しかし、それはやはり駄目らしい。
季節が冬であれ、容赦ない里麻に私はベリッと引き剥がされた。