BRST!
ガチャリ、鍵を差し込んでゆっくりとノブをまわした。
「…、……」
響兄と私を迎え入れたのは、薄暗い人気のない空間で。
やっぱり、と。落胆を隠しきれなかった私は思わず溜め息を吐く。
と、そのとき。
「――あぁあ~!!」
「わ、」
背後から聞こえてきたのは、響兄の雄叫びような叫び声。
ギョッとして振り返れば、その視線は玄関の棚の上に向けられていた。
「、どうしたんですか!?」
何か昴くんに繋がるヒントが見つかったのかもしれない。
そんな思いで近くまで駆け寄ると、響兄はロボットのような動きで此方を見た。
そして。
「ない、無いんだよぉお…!」
「なにが?」
「俺の、俺のブロマイドが~!!」
――ズッサァア!
と、思わずこけそうになった。
いや、実際はこけてませんけど。
ですけど、今この瞬間にそれを言う図太過ぎる神経が信じられない!