BRST!
ゆっくりと、響兄の肩に手を添えた。
「慰めてくれるの?ていうか何処にやったの?」なんて言葉をベラベラ放出する金髪に、ニッコリとした笑みを向けてやった。
――そして、
「里麻にあげましたけど!ていうか今そんなこと言ってる場合じゃないですよね、分かってるんですか!?こんのクソキンパがー!!」
「り、稜ちゃんが壊れた~!女の子なのにクソなんて言っちゃ、いけませ――」
「あぁん?」
「ひいい…!!」
添えた手にしっかりと力を込めて唸りを上げると、瞬時に縮み上がった響兄は私からの逃亡をはかる。
リビングの中へと逃げ込んで行く金髪(もうすぐ三十路)を追っていく。
ドッタンバッタンと忙しなく音を立てて、色々と残念な従兄を捕獲しようとする私。
下の階の人、本当にごめんなさい。
――と、そのとき。
「いたぁった~!!」
ズルッと豪快に足を滑らせた響兄は、フローリングに背中を強打してしまった。