BRST!
「………。」
うん、えっと、痛そうなんだけど。
両手を上に突き出したまま、白目で仰向けになっている響兄を見た私は。
「…ぷっ…!」
笑いを堪えるのに必死だった訳で。
「稜ちゃん酷い~…!ほんとに痛いのに、」
「はい、痛そうですよ。大丈夫で――…ぶふっ、」
「ちょっと、俺泣いてもいい!?」
目尻に滲む涙を指先で拭いながら、お間抜けポーズで助けを求める響兄に手を貸すことに。
よっこらせ、なんて声を上げて身体を持ち上げた響兄。歳なんじゃ…。
「稜ちゃん俺に恨みでもあんの!?」と迫る金髪を適当にあしらいつつ、先程の騒動で散らかってしまったクッションを手に取った。
すると、
「ん?」
ヒラリ、と。空気に舞って床に落ちた封筒が視界に映り込む。
何だろう、なんて手に取って確認してみれば。
「…、え…。」
――… 辞 表 、
思いもよらない字が走ったそれを前に、フリーズしたかのように私の身体は動かなくなった。