BRST!



「じゃあ今、相川先生が入院中だって知らない?」

「……え?」

「その様子じゃ、聞いてなかったみたいね。」




眉尻を下げた彼女は、困ったような表情を浮かべたまま言葉を音に乗せていく。





「今朝、連絡があったらしくてね。朝礼で姿を見ないと思ったら、教頭先生が入院だって言うんだもの。驚いちゃった。」

「…、何処の病院か分かりますか?」

「詳しくは知らないけど、何でも地元で懇意にしている病院があるらしくて。でも、変ねえ。喧嘩中とは言え、彼女さんにも言ってないなんて。」





……変だ。

話が上手く出来過ぎているし、何より地元まで此処からかなりの距離がある。




此方の複雑な心境を知る由もない彼女は、続け様に口を開いた。




「でも、検査入院で期間は一週間程らしいわ。」




それが、決定打として私の心に突き刺さる。

間違いない。

――昴くんは、




「ほんと、男って何考えてるんだかサッパリよね~。って、どうしたの?」




いきなり立ち上がった私を見上げたおばさんは、軽く首を傾げてそう口にした。


< 871 / 945 >

この作品をシェア

pagetop