BRST!
サボっているのか、二人組でフェンスに寄り掛かる彼ら。
幸いなことにその位置から私のほうは死角になっていて、ごくりと息を呑んで身を潜める。
「なんで休み?」
「あーなんか、よく分かんねえけど……体調不良?」
「でもアイツって、族の奴等でも手出しできねーらしいじゃん。」
……成る程。
この二人は一般の生徒らしい。この不良校で族に入っていないことが珍しく、私は尚も耳を欹《そばだ》ててしまう。
じゃあ、昴くんが総長やっていたことも知らないのか。
余りに大っぴらにされても新米教師の彼にとっては死活問題だろうし、あの"天龍"メンバーが口を割るとも思えない。
当然と言えば、当然だけれど。
「今までに居ない感じの教師で、俺は結構いいと思うけどな。」
前触れ無く耳に入ったその声に、大きく瞳を見開いた。
「え、お前も?」
「はあ?テメェと同類とかマジシケるわ。」
「い、一緒にすんじゃねえよ!俺はピチピチの女教師が入ってくれたほうが嬉しいし、」
「んなの俺もだっつーの!」