BRST!



今度は羞恥に頬を染める稜を見て、俺の中に加虐的な欲がじわりと膨れていく。




『な、なんでそんなこと普通に言えるんですか!』

『好きだからに決まってんだろ。』

『だ、からー…!』


限界らしい。

自分の頬を両手で覆い隠してしまった彼女。




そんな姿も俺の心を捕えて離さなくて。

思わずふっと頬を緩めると、さらりと揺れる長い黒髪に指先を通した。



そして後頭部に辿りつくと、そのまま力を込めて引き寄せる。




『…っ、』


俺の腕の中にすっぽりと収まった稜を見下ろせば、彼女は音もなく息を呑みこんだ。




目を見開いて視線をさ迷わせる姿を見ていれば、心が段々と温まっていくのを感じた。

そんな中でも、彼女の頬に迸る紅はひたすら色を増していて。





『こんなの、いつもやってんじゃん。』

『……そんなことないです。』

『あ、なに?聞こえねー。』

『だ、っから…!』



ガチャン、と聞こえた音に何気なく視線を向けた俺は。

反論しようと顔を上げた稜に気付くことも出来ず、目を見張ってその光景を凝視していた。


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