BRST!



"つうかヤリ○ンの兄貴に説教されるとか……"

"おい、聞こえてんだよ"

"大体、誰のせいでこんなことしてると思って――"



嗚呼、まずい。

いつものノリで会話していた所為で、大事なことを聞き忘れていた。




"昴、なぜ俺に声を飛ばせる?"


お前の能力の専門じゃないだろ、これは。

俺が核心を突いたことでハッと何かを思い出したらしい奴は、慌てたように言葉を放ち始めた。





"兄貴、今すぐ稜を連れて逃げろ。俺が何とかするから――"

"ちょっと待てよ、そうじゃないだろ。なんで声を飛ばせるかって聞いてんだよ!"

"はあ?なんでって、一か八か 《黒い石》を使ってみただけで…"



ちょっと待て。

少しの時間でいい、整理させてくれ――…黒石を、使っただと?






"、昴まずい!もし仮に 《黒石》を持つ敵なんかが残っていたら――"

"…もう遅い……"

"な、んだよ今の声は――…!?おい兄貴、あに――ブツッ"


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