BRST!
《稜 side》
響兄が目を見開いて向けた視線を辿っていく。
そこは目的のアクセサリーショップで、先程までは暗い闇に覆われていた中から溢れんばかりの光が瞳を刺激した。
「どうなってるんですか…?」
「…、……」
「昴くんは!?昴くんは無事…なんでしょうか、」
なんで、いきなり電気が…?
余りの眩しさに思わず隻手で目を覆えば、隣に居るであろう従兄から言葉が落ちてくる。
「……昴は、きっと中だよ。」
「、」
「稜ちゃん、行く?」
心なしか、響兄が言葉を選んで私に話し掛けている気がした。
今更なにを遠慮しているんですか?
まさか私が怖気付いたとでも――
そんなの、
「当たり前です。大事な恋人救いに行きます!」
当然私にとっては愚問ですから。
その瞳に視線を合わせてハッキリと告げた私を見て、安堵したように息を吐いた響兄は続けて口を開いていく。
「……この間の"闇の組織"とはワケが違うよ?」
「分かってます。」
「稜ちゃんだって、無事で帰って来られる保証なんて何処にもないよ?」
「大丈夫、ちゃんと理解してますから。」