BRST!
響兄ってば、こんなときに限って心配性?
「……てか組織ぶっ潰したときに逃げ回ってた人が、よくそんなこと言えますね。」
「あ、あれはさあ~!俺が出るまでもないって言うかー…!」
「はいはい、分かりましたから行きましょう?響兄。」
「絶ッ対分かってないよね!?俺の言い分も聞いてよ~!!」
ぷんすか弁解の言葉を並べる響兄の背中を押して、ショップとの距離を詰めていく。
尚もベラベラと口から台詞を放ち続けている金髪を見て、何だか普段と変わらな過ぎて笑えた。
「ほら、もう着くんですけど。」
「だからあ~!」
「響兄?」
「って、ひい…!もう入口じゃん!」
「だからさっきから言ってるのに…。」
漸く現状を把握したらしい彼は、目前まで迫った店の扉に驚愕の表情を浮かべた。
あ、なんか私分かるかも。
きっとこの金髪男は間もなく冷や汗だらだらになって、ロボットみたいな動きで振り返って――
「稜ちゃん、お先にどうぞ…!」
って言うんだ。あ、ほら言った。