BRST!
「何でも、専門は"コピー"らしいぞ。あの馬鹿力は、"黒い石"に頼ってたんだと。」
「え、じゃあもしかして例のボロボロ昴くんって…。」
「おー、フェイクフェイク。」
「嗚呼、私のあの心の痛みは一体…!」
「じゃあ何?俺と会話するときも、自分の心をコピーして偽の感情を覗かせてたってこと~!?」
「いや、そこまでは知らねーけど…。」
「何だよそれ、何気にショックだよ俺…!」
「でもあれだろ、そいつかなり兄貴に惚れてるっぽいから覗いて自分の気持ちがバレると困るんじゃね?」
「ねえ、それ俺に言ったら一緒だよね…。」
「(里麻失恋どんまい…!)」
「稜ちゃん。」
「な、なんですか!」
「里麻ちゃんがその気なら俺いつでも――」
「いいから、響兄はジョゼさんに落ち着いてください!」
「てか、響兄が言ってた"お人好し"ってなんですか?」
「ジョゼのこと?稜ちゃんよく覚えてたね~!」
「…馬鹿にしてます…?」
「ま、まさか!ジョゼが電話してきたとき、"昴はお前等を裏切っていない。従って此方の敵だ"って言っただろ?」
「ああ、はい。」
「それがお人好し。普通敵相手にさー、"裏切っていない"なんて教えないじゃん。」