たぶんこれを、初恋と呼ぶ
「うん、でも、私はそれでもよかったから。一緒にいれたら何でも」
どう伝えたらいいんだろう。
彼女はいいと言っても、それは違う。
俺はずっと彼女を傷つけていて、きっとこの先も一生、彼女はその事を忘れられない。
彼女の誤解を完全に解くには、どう伝えたら。
どう伝えたら、信じてもらえるんだろう。
「俺は、梅ちゃんが好きだよ」
出たのは、それだった。
言葉にして初めて、俺は彼女に自分の思いを伝えるのは初めてだという事実に気付いた。
だって俺は、誰かに向けて告白する事自体が初めてなのだから。
突然俺にそんな告白をされた梅ちゃんは、俺が知っている中で過去一番驚いた顔をしていた。
「……嘘」
「嘘じゃないよ。俺はずっと、梅ちゃんが好きだったし、別れてからも忘れられなくて、再会してからもずっと好きなんだ。付き合うきっかけはめちゃくちゃだったけど、聖があんな事提案してくれたのは、俺の気持ちに何となく気付いてたから」
「……嘘」
「嘘じゃないって。気持ち悪いけど、俺、初めて会った時からずっと梅ちゃんの事気になってた。その時俺高3で、梅ちゃん中1だよ。引くでしょ」
「…嘘、嘘」
「全部本当。ずっと昔から、俺にとって梅ちゃんは特別で、大切な子で、大好きな女の子だった」
「…っ」
「傷つけてごめん。…本当に、ごめん。絶対もうしない。だからもう一度俺にチャンスを下さい」
「チャンス?」
「梅ちゃんが俺の事何とも思ってなくても、俺が勝手に頑張るチャンス」
そう言ったら、何故か涙目でキッと睨まれた。