たぶんこれを、初恋と呼ぶ
「え、本当!?そしたら明日、どこか行こうか。どこがいい?」
「どこでもいいよ。昔みたいにDVD借りてのんびり過ごす?」
「いや、梅ちゃんの行きたい所に行こう」
「うーん。でも私そんなに行きたい所ないしなあ。安尾くん行きたい所ないの?私は安尾くんの行きたい所に行きたいなあ」
気を使ってくれているのだろう。だけどそれに甘えていたら昔と同じ道を辿る事になる。
「じゃあ俺が行くところ考えるよ」
「え?安尾くんが?」
「うん、俺に任せて」
「うん…?」
梅ちゃんを送った後、俺は携帯とタブレットを片手に大人のデートスポットをめちゃくちゃ調べて、夜はちゃんとしたレストランを予約した。
7年前は年上のくせに何していいのかわからずに彼女に任せきりだったから、今度こそは俺がしっかり年上としてリードしていかないと。
翌日俺はめちゃくちゃ張り切っていて朝からそわそわしていた。
レンタカーを借りて梅ちゃんの家まで迎えに行くと、予想以上に驚いていた。
「えっ、車!?」
「うん、ちょっと遠出しよう」
今日の俺は大丈夫。なんせGoog○e先生で念入りに予習してきたし。
そのまま梅ちゃんと海に行った。
「……寒い」
季節はもう11月で、普通に寒かった。