桜の下で一目惚れした人は
「こちらこそ!じゃあ運ぼっか」

そして教壇の上にある2つの紙袋。

1つ手にかけると…意外に重い。

え、なにこれこんな軽そうなのになんでこんな重いの。

「貸して」

そう言って永瀬くんは私の持ってる荷物を持とうとする。

「え、いーよ!私持てるよ!」

ダメダメ。これは私が頼まれた仕事でもあるんだもん。

私が運ぶ!!と言わんばかりに荷物を離さない私。

そしてぷくっと頰を膨らます。

「ハハッ。わかったよ、じゃあ少し手伝わせて下さい」

笑って紙袋の手提げのとこを半分持つ永瀬くん。

「はい、ありがとうございます」

笑い返しながら永瀬くんを見上げる。

「そーいえば、なんで永瀬くん学級委員なんて立候補したの?」

学級委員なんてやることいっぱいで大変なのになんでだろう。

「ん〜…」

目線を逸らして考え込む永瀬くん。

そして何か思いついたようにこちらを振り向き

「あ、永瀬くんって呼び方やめてよ」

「ん〜じゃあ、圭太くん。」

「おう、じゃあ俺も優愛ちゃんって呼ぶね」

「うん!」

そして"次の授業何やるんだろうね"とか"さっきの校長の話長かったよね"とか他愛のない話をしながら廊下を歩いた。

あれ、結局なんで立候補したのか聞けなかった…

< 11 / 14 >

この作品をシェア

pagetop