桜の下で一目惚れした人は
(キーンコーンカーンコーン)
(入学生は体育館前に並んでください)

校門をくぐるとチャイムと同時にアナウンスが聞こえた。

「ギリギリセーフだね」

そう言って男の人はニコッと笑う。

「ありがとうございました」

あまりの笑顔の眩しさに顔を見れずコンクーリートを見ながら頭を下げた。

私は早足で体育館に向かった。

「優愛!こっちこっち!」

大きく手を振るのは親友の田宮真由。

髪が長くて綺麗な顔立ちで身長も女の子では高い方でモデルと言ってもおかしくない容姿をしてて…自慢の親友。

「遅かったけどなにかあった?」

「ちょっと迷子になっちゃって…へへ」

「ふ〜ん、その割にはなんか顔赤いしニヤついてるし…他にもなにかあったでしょ?」

怪しそうに私の顔を覗き込む真由。

うっ…!さすが親友…

「実は…迷子になった時男の人に助けてもらったんだよね」

「…で?」

「一目惚れしちゃいました…」

ブワッと顔が熱くなる。
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