結婚前夜
中島悠人、３４歳。
生年月日、身長、体重、血液型、出身地、学歴が履歴書の様にツラツラと書き記されている。

その学歴を見ても、私とは違う。

彼は中学から名門校に通い、誰もが知る有名な国立大学に進学している。

そんな彼が、何故地元に戻ってこの会社に居るのか謎だった。

私達の勤務する会社は、地元ではそこそこの規模ではあるけれど、彼が望めば都会の株式上場している超一流企業にだって就職出来た筈だ。

それが何故…。

そして、そんな彼が、何故お見合い相手に私を名指しで指名したのか…。

いくら考えても、答えが出なかった。

私、山本優奈《やまもとゆうな》は、本当に平凡な、その辺にいる女性と変わらないから。

身長だって平均的な高さで、体型だって人並みだ。
太くもなく細くもなく。
顔立ちだって、特別美人でもなければ可愛いにも当てはまらない。

本当に、全てにおいて普通なのだ。

３１歳の私には、本当に好条件な話だった。
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