契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
そのまま窓の方へ誘導されひんやりしたガラスに背中が触れると、彼は私の両手を上げさせて片手でその手首を拘束した。
そしてキスを繰り返しながら、もう一方の手を帯にかけ、無理やりに解こうとしている。体の締め付けが緩んでくるのと同時に、不安が胸を覆った。
彰さん、まさか……今ここで私を抱こうとしているの?
抵抗しようと身をよじると、逆に浴衣がはだけてしまい、どんどんあられのない姿になっていく。
中途半端に露出した肌は、背後で打ちあがる花火によって妖しく色を変え、私の羞恥心を煽った。
「彰、さん……やめ、て」
大きく開いた襟から覗く胸元に唇を寄せ、強い力で吸い付く彼に必死でお願いする。
すると彼はちゅっと音を立てて唇を離し、熱い吐息をこぼして苦しげに言った。
「お前を安心させる方法が……ほかに思いつかないんだ」
途方に暮れたような彼の言葉に、胸がきしんだような音を立てた。
どうして……? 言葉でちゃんと説明してくれれば、私だって納得するのに。こんなやり方じゃ、はぐらかされているように思えてしまうよ……。
それから、彰さんはまた胸元に唇を滑らせては、私の肌にいくつも跡を残していく。
同時に、着崩れた浴衣の裾から覗く太ももを大きな手で撫でられ、不本意にも甘い声がこぼれてしまう。