契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
外で食事を済ませて帰宅した私は、自分の発言を思い出してひとり緊張していた。
『続きは、私たちの家に帰ってからにしませんか?』
あと一歩で体を重ねてしまいそうだったあの時、そんな大胆なことを言ってしまったせいだ。
お風呂上がりのホカホカした体でベッドの上に正座し、後からお風呂に入った彰さんを待つ。けれど彼が部屋に来る気配は一向にない。
さすがにもう上がったと思うんだけどな……。
待ちきれずに寝室を飛び出し、バスルームを覗いたらすでに電気が消えていた。
「彰さん……?」
首をかしげながら明かりのついたリビングを覗くと、お風呂上がりの彼はソファに横になり眠ってしまっていた。
な、なんだ……もう寝てるんだ。疲れていたのかな……。
その安らかな寝顔に、急に肩の力が抜けた。
さすがに私が彰さんを抱えて寝室へ運ぶのは無理なので、彼のベッドからタオルケットを持ってきて掛けてあげた。
それでも微動だにしない、熟睡中の彼のそばで体育座りをし、私は小さく語りかける。