契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
朝、結奈に「行ってらっしゃい」と送り出されると、やる気がみなぎったし。
疲れて帰ってきても、「おかえりなさい」のひと言と、ふわっとした結奈の笑顔で嘘のように疲労が癒されたし。
ときどきからかって接近したりすると、顔を真っ赤にして困り顔になる結奈が、かわいく思えてきて……。
彼女となら、かけがえのない家族になれるかもしれない――。
そんな期待と、彼女への愛しさを感じ始めた矢先だった。
「彰さんのこと……好きに、なっちゃいました」
結奈と特別な時間を過ごしたくてやってきた、葉山の別荘。
その夕陽に染められたバルコニーで彼女から告白されたときは、彼女もまた同じ気持ちでいてくれたことがうれしく、俺たちは同じような速度で恋に落ちていたんだなと、ガラにもない想いに浸った。
そして同時に、俺は彼女に「これから本気で愛し合って、本物の夫婦になろう」と約束した。
結奈と築く平和で穏やかな家庭に思いを馳せ、心から幸せだと実感できた。