契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
16.甘い時間は永遠に
私は年内いっぱいで美郷出版を辞め、新しい年を迎えるのと同時に道重堂の社員になった。
私の抱えていた仕事を引き継いでくれたのは花ちゃんで、インタビューの企画も継続してできるのだそう。
あれほどズバズバ私に対して発言していた彼女が、勤務最終日には涙を浮かべていて、もらい泣きしてしまった私は彼女と抱き合って別れを惜しんだ。
そして親しい同僚や上司たちに惜しまれつつも『結婚式には絶対に呼ぶこと』というよくわからない条件つきで、無事退職が認められた。
確かに彰さんと私はまだ式を挙げていない。
仕事が落ち着いたら……とタイミングを計りながらも、まだ予定を組めていないというのが現状だ。
お互いの親も楽しみにしているし早くしたいの山々なのだけれど、新年早々仕事で大事なイベントがあり、それが終わるまでは結婚式どころではなかった。