契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~

でも、すべて彰さんの計画通りに事が運ぶのはなんだか悔しいし、私だってまだ恋愛することを完全に諦めたわけではない。どうしたものか……。あ、そうだ。

「あの! 一つ条件をつけたいんですけど」

「なんだ」

「もしもこの先、私に心の底から本当に結婚したい相手が現れたら、あなたとは離婚する。その条件でオッケーなら、この結婚を受け入れます」

これが、たった今思いついた、私なりの条件だった。

その相手が現れるまでの間、結婚生活がどんなものなのか体験させてもらうっていうスタンスなら、ハードルも低い。

すると彰さんは暗い車内で美しい微笑みを浮かべ、余裕綽々に言った。

「ああ、それで構わない。ま、俺よりいい男が現れるとは思えないが」

なんて傲慢なセリフ。でも、この人にはそれが似合ってしまうからまた悔しい。

「すごい自信……。なんか腹立つから条件追加していいですか?」

「どうせこの結婚はただの契約だ。どうぞご自由に」



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