契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~

ありがとうございます。では、自分の欲望に忠実に、追加させていただきます。

すうっと息を吸った私は、正面を見て高らかに宣言した。

「道重堂の新作が出るときは、妻に優先的に試食させること!」

彰さんは一瞬きょとんとして、それから盛大に笑い出した。

「お前……面白いな。わかった、その条件も追加してやる。こっちの商品研究の参考にもなるしな」

「やったぁ。ありがとうございます、彰さん!」

子どものようにはしゃぐ私を、彰さんがくすくす笑う。

ダメ元でも、言ってみるもんだなぁ。こんな条件が認められるなら、この結婚、案外悪くないかもしれない。

お気楽な私は、この後彼のご両親に会うという緊張感も忘れ、まだ見ぬ道重堂の新作和菓子のことで頭をいっぱいにするのだった。



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