契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
今日から毎日ここで寝るなんて、私本当に結婚しちゃったんだなぁ。
旦那さまである彰さんのことはほとんど知らないけれど、一応、キライではない。
容姿は私なんかが隣に並んだら申し訳ないくらいの見目麗しさだし、勝手な言動が多いけれど、決して私をないがしろにはしない。
むしろ認めてくれている発言をしてくれるのが、意外にうれしかったりする。
それからいつもいい匂いがして、唇は求肥のようにやわらかいんだっけ……。
ぽわん、と数日前のキスシーンが脳裏によみがえり、私は思わずうつぶせになって布団に顔を押し付け、恥ずかしさに悶えた。
そういえば、キスされたんだった……。あのキス、なんだったんだろう。
〝ご褒美〟とか言われたけど、これから先も私が何か褒められるようなことをしたら、ご褒美としてキスされるの?
……やばい。なんか、ドキドキがおさまんない。この布団も、彰さんの香りするし……。
ぎゅっとシーツを掴んでそわそわ落ち着かない気持ちに耐えていたそのとき。
「……結奈? 寝てるのか?」
ノックもなしに寝室のドアが開いて、彰さんが顔を出す。