契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
その後、夕食はふたりで現地の海産物を使ったシーフードカレーを作って食べ、デザートにはテイクアウトしたプリンを食べた。
そして交代でお風呂を済ませると、寝室へ移動した。
自宅とは違いベッドがひとつしかなく緊張したけれど、そんな私に気づいた彰さんが言ってくれたんだ。
『いきなり襲うほど節操のない男じゃない。結奈がその気になるのを待つよ』って。
彰さんが本気になれば、言葉巧みに私を誘惑して無理やりこちらの〝その気〟を引き出すこともできただろう。
それでも私の心が追い付くのをきちんと待ってくれる、その真摯な態度がうれしかった。
その言葉に甘えて、私たちは添い寝をするだけにとどまり、穏やかな夜を過ごしたのだった。