君にチョコはあげない
君にチョコをあげる
お父さんの転勤は、1月くらいにはもうわかってた。
真っ先に後悔したのは、言わずもがな遥のこと。
ずっと一緒にいたから、告白するタイミングなんていくらでもあった。
なのにそれをしてこなかったのは…他でもない私だ。
お父さんに「転勤しなきゃいけないけど、夢叶はどうしたい?」って聞かれたとき、頭が真っ白になった。
お母さんはお父さんについて行きたいみたいで、もしもここに残るなら、お母さんも残るって言ってたっけ。
…でも、そんなこと言われて…残れるわけない。
お父さんだって、お母さんがついてきてくれた方がいいだろうし、お母さんだって、お父さんのそばにいたいんだろうし。
私が我慢すれば、きっと何も問題ないと思った。
だから私は、遥にケーキを作った。
元々、今年はバレンタインに告白するつもりだったけど。
手作りのチョコレート、あげるつもりだったけど。
フラれちゃったら私がいなくなったあと遥が気にするだろうし、もし上手くいったとしても、すぐに私はいなくなっちゃうわけだし。