君にチョコはあげない
遥。
私ね、今でも遥のこと、すっごい好きだよ?
小っちゃい頃からずっと一緒だった幼なじみがいなくなって、何とも思わないわけないだろうけどさ。
きっとすぐ、忘れちゃうよ。
ほら、高校生になったら、キレーな女の子、いっぱいいるだろうし。
…私のことなんて、きっとどうでもよくなるよ。
そうなったら、寂しいけど。
私はずっと、どうでもよくなんてならないだろうけど。
♡
「俺、野崎(のざき)のこと好きだよ」
「…気持ちは嬉しいけど、ごめん…」
「忘れられないヤツがいるから?」
「…うん」
あれから3カ月経った今でも、私はずっと、遥に囚われている。
たった3カ月だもん、忘れられるわけないよ。
だから、生まれて初めての告白だって、こんな風に返してしまう始末。
「…それでも俺は諦めない」
「え?」
「…って言ったらどうする?」
「…それでも私は、その人以外は好きになれないと思う」
ううん、「思う」なんて曖昧な感じじゃなくて、もう自分でもわかってる。
遥じゃなきゃダメなんだって。