君にチョコはあげない
「……なら、身をもって嫌ってほど思い知らせてやる」
「え…」
遥の言った意味がほとんど理解できないまま、私は遥の温もりに包まれた。
……あぁ、これ知ってる。大好きな人の匂い。
大好きな人の匂いに包まれてるのって、すごい幸せだ。
この温かさを、私はどれだけ欲していたんだろう。
夏だっていうのに全然暑くなくて、むしろ離れたくないくらい。
そんな気持ちでそのまま体が動いて、私も遥の背中に手をまわして、腕の力を強めた。
「は、遥……」
「…もーダメ。限界」
そう言ったかと思いきや、遥の顔が近づいてきて、私は慌てる暇もないまま……キスされた。
しかも、そのキスはどうやら、終わることを知らないみたいだ。
「ふ…わ、……は、るか…」
「そんな声出すな。もっと歯止め効かなくなる」
「なっ、…ん……」
「……あっさり一人きりの部屋に俺入れて。意識してないにも程があんだろ。…俺は男だよ、夢叶」
「違っ、」
「なに?どこがどう違うんだよ」