君にチョコはあげない
「や、やだ……」
「は?」
「は、遥と一緒に、高校生なりたい…」
「…っ、ごめん、夢叶」
「え?……ん…」
遥はもしかして、キス魔なんじゃないかって思う。
だけど、遥のキスは、いっぱいの「好き」を感じられるから好きだ。
「…ふ、な、なにが「ごめん」なの?」
「夢叶見てると、夢叶が可愛すぎるからすぐキスしたくなる」
「…!」
な、な、な…!
何を言ってるんですか遥さんは。
「…でも、これからは夢叶にいっぱいキスだってできるし」
「う、え…?」
「彼女だしね」
「そう、なの?」
「嫌?」
少し不安そうに聞いてくる遥に、笑ってしまいそうになる。
「嫌なわけないじゃん。嬉しいんだよ」
「…もー…。ほんとさ、あんまり可愛いのやめてくんない?押し倒したくなるから」
「押し倒し…!」
「ま、我慢するけどさ。それより夢叶、高校行くんだったら、絶対俺と同じとこじゃないとダメだから」
…もちろん、元からそのつもりデス。