君にチョコはあげない





「あ、あと夢叶」

「なに?」

「わがままひとつ、いいでしょうか」



かしこまって聞いてくる遥に、私はまた笑いそうになる。



「…なんでしょう」

「真夏だけど、夢叶の手作りチョコが食べたい」

「…いいよ、チョコ、あげる」

「やった」



あの日作れなかったチョコを、今度こそ。


――君にあげる。





fin.


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