◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
「失礼しまーす、丸井螺子ですがー」
勝手知ったるままに入室し、小さな段ボールの箱をいつもの棚に置いて、さて納品書を渡して帰ろうとその辺にいる人を捕まえる。
「あっ、丸井螺子さん!? ちょっとちょっと!」
すると、廊下の奥の方からすごい剣幕で現れた女性に、ずいずいと服を引っ張られた。
「な、なんでしょう……?」
そのまま奥へと連れ去られる。
社長室と書かれたプレートの部屋に通されて緊張が走った。
(もしかして前に納めた製品になんか問題でもあっただろうか……? いやだなあ。よりによって今日発覚しなくても……)