◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
社長はあっちこっちに走っては製品サンプルを袋にいくつも詰めている。
「ああ大変だ大変だ……。FUJITA電機から何千、何万ロットの注文が一気に入ったらどうしよう。こんなちっぽけな会社ではとてもじゃないが受けきれない。でも、飛躍の時かもしれない。いや、でも、リスクが大きすぎる……」
なんだか大げさなことになってしまったなと愛里は呆然としてきた。尚貴と再会するのはとても楽しみだったが、それだけでは済まないかもしれない。