◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
愛里と丸井社長が通されたのは応接室だった。黒と濃茶の色調で統一された、重厚な雰囲気の部屋だった。
黒のレザーチェアーに着席すると、ふわっと宙に浮くように心地よい感触がした。天板の濃い木目の配色や、大窓から差し込む光量は緊張感と落ち着きの両方を感じさせるようにバランスが考えられていて、極上という言葉がふさわしく思えた。
(世界のFUJITAだもんね……)