◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
さらに奥からもう一人若い男性が付き従うようにして現れた。愛里は期待と共に視線を向けるも、その人は尚貴ではなかった。丸い銀の盆を両手で捧げ持っており、その上に透明の袋を被せられたねじねじロボット一号が鎮座している。
(なおさんは、来ないのかな)
郡山は前に進み出ると「藤田の代理で参りました、郡山と申します」と名乗り、手慣れたように社長と愛里に名刺を渡してきた。丸井社長は名刺交換をしていたが愛里は自分の名刺を持っていないので、ただ受け取るだけだ。郡山(こおりやま)の下の名前は勇作(ゆうさく)というらしい。