◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
気弱そうに見えた尚貴が、こんなにまっすぐに自分を求めてくれていることに驚きを感じた。耳元の吐息が熱くて、心臓がどきどきと鳴る。
「う、ん……うん、うんいいよ」
震えるように頷き返す。
のぼせたように、視界に何も入ってこない。
ただただ、耳元のなおさんの熱い吐息と、夏のスーツの心地よい肌触りと、それから、手から伝わる、自分とは違う彼の体温だけが、ぐるぐるぐるぐると駆け巡っていた。
もうなんでもいい。
このまま、この人の望む場所に連れていかれたい。