◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
少々お待ちくださいと言われて、ソファに着席する。ソファは柔らかで上品な手触りと深い光沢感のあるベルベットやシルクを用いていて、なんとも華やかで上質だった。天井にはクリスタルのシャンデリアが飾られている。今更ながら、スーツで来ていることにほっとする。ドレスコードも問題ないよね。さてパンフレットをもらって、泊まった気分にでもなろうと思っていると。
「ああん貴志(きし)様~、私にもくださいませ~」
ロビーの奥からなにやら黄色い声が聞こえてきた。
愛里が振り返るとそこにはまるでコンパニオンのような美女に囲まれて、ソファに深くどっかりと腰掛ける男がいた。
「いいぜ、スイートルームでな」
足を組んで王様のような態度で、真昼間からそこだけ高級クラブのごとき雰囲気を醸し出している。
中央のその男はグレーアッシュの髪をワックスで逆立てていかつさ満点、攻めた黒のワイシャツとグレースーツが、この世を我が物顔で支配するかのような強い眼光と妙に合っている。
目が合ってしまった。
「ああん貴志(きし)様~、私にもくださいませ~」
ロビーの奥からなにやら黄色い声が聞こえてきた。
愛里が振り返るとそこにはまるでコンパニオンのような美女に囲まれて、ソファに深くどっかりと腰掛ける男がいた。
「いいぜ、スイートルームでな」
足を組んで王様のような態度で、真昼間からそこだけ高級クラブのごとき雰囲気を醸し出している。
中央のその男はグレーアッシュの髪をワックスで逆立てていかつさ満点、攻めた黒のワイシャツとグレースーツが、この世を我が物顔で支配するかのような強い眼光と妙に合っている。
目が合ってしまった。