◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
「一緒にしないでください」
よせばいいと思いつつも、つい愛里は言ってしまった。
腕を振り払って、その場に立ち上がる。貴志を、秋貴までを一瞥し、言い放つ。
「あなた方が夢を諦めるのは勝手ですが、人の夢まで笑わないでください」
「このアマ……」
横から貴志にギロッと睨まれているのを感じるが、吐いた唾は呑めないと腹をくくる。
秋貴はあっけにとられたような顔をした後、
「いいこと言うねえ。父にも聞かせてやりたいよ」
愉し気に微笑む。
「なおをよろしくね」
「え……あ、はい……」
愛里はちょっと立ち尽くした後、今だ、と我に返り、出口へと走った。