◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

「お仕事中ごめんなさい。近くで待たせてもらってもいいかな、やっぱ」
「いいけど、どうしたの? 何かあった?」

 愛里は事のあらましをざっと説明する。

「そんな……っ、信じられない。貴志兄さんに絡まれるなんて、ひどい災難だ。本当にごめんね……」
 心底すまなそうに謝る尚貴は腕時計を確認すると、
「もうすぐ終われそうだから、ちょっとだけ待ってて」
「うん」
「夕飯一緒に食べられる?」
「うん」
 わーい。なおさんとお食事だ。
「それと、食後によかったら、この前言っていたキャラカクテルをごちそうしようと思うんだけど、どうかな?」
「はい……よろこんで」
 ってことは、なおさんの家に行くってことだよね!?
 うわー緊張する……。
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